措置法36条の2
特定のマイホームを買い換えたときの特例(措法36の2)
1 特例の概要
特定のマイホーム(居住用財産)を、令和7年12月31日までに売って、代わりのマイホームに買い換えたときは、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができます(譲渡益が非課税となるわけではありません。)。
2 特例を受けるための適用要件
この特例を受けるには、次の要件全てに当てはまることが必要です。
- (1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。
なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまることが必要です。
イ 取り壊された家屋及びその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるものであること。
ロ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
ハ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
- (2) 売った年、その前年及び前々年にマイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(措法35条第3項に規定する被相続人居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例を除きます。)又はマイホームを売ったときの軽減税率の特例若しくはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
また、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けないこと。 - (3) 売ったマイホームと買い換えたマイホームは、日本国内にあるものであること。
- (4) 売却代金が1億円以下であること。
この特例の適用を受けるマイホームと一体として利用していた部分を別途分割して売却している場合における1億円以下であるかどうかの判定は、マイホームを売却した年の前々年から翌々年までの5年間に分割して売却した部分も含めた売却代金により行います。
このため、マイホームを売却した年、その前年及びその前々年の売却代金の合計額が1億円以下であることから、この特例を受けていた場合で、マイホームを売却した年の翌年又は翌々年にこの特例の適用を受けたマイホームの残りの部分を売却して売却代金の合計額が1億円を超えた場合には、その売却の日から4か月以内に修正申告書の提出と納税が必要となります。 - (5) 売った人の居住期間が10年以上で、かつ、売った年の1月1日において売った家屋やその敷地の所有期間が共に10年を超えるものであること。
- (6) 買い換える建物の床面積が50平方メートル以上のものであり、買い換える土地の面積が500平方メートル以下のものであること。
- (7) マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間にマイホームを買い換えること。
また、買い換えたマイホームには、取得した時期により次の期限までに住むこと。
イ 売った年かその前年に取得したときは、売った年の翌年12月31日まで
ロ 売った年の翌年に取得したときは、取得した年の翌年12月31日まで
- (8)買い換えるマイホームが、建築後使用されたことのない住宅である場合において、令和6年1月1日以後に入居(又は入居見込み)であるときには、特定居住用家屋(※)に該当するもの以外のものであること。
- (※) 特定居住用家屋とは、住宅の用に供する家屋で一定の省エネ基準(断熱等性能等級4以上及び一次エネルギー消費量等級4以上)を満たすもの以外のもので、次の要件のいずれにも該当しない家屋をいいます。
イ 令和5年12月31日以前に建築確認を受けているもの
ロ 令和6年6月30日以前に建築されたもの
- (9) 買い換えるマイホームが、耐火建築物の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、又は一定の耐震基準を満たすものであること。
- (10)買い換えるマイホームが、耐火建築物以外の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、又は取得期限までに一定の耐震基準を満たすものであること。
- (11) 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係にある法人なども含まれます。
注意事項
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除については、入居した年、その前年または前々年にこのマイホームを買い換えたときの特例の適用を受けた場合には、その適用を受けることはできません。
また、入居した年の翌年から3年目までのいずれかの年中に、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の対象となる資産以外の資産を譲渡し、この特例の適用を受ける場合にも、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできません。
3 適用を受けるための手続
この特例を受けるためには、次の書類を添えて確定申告することが必要です。
- (1) 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
- (2) 売った資産が次のいずれかの資産に該当する事実を記載した書類
イ 自分が住んでいる家屋のうち国内にあるもの(家屋の存在する場所に居住していた期間が10年以上であるものに限られます。)
ロ 上記イの家屋で自分が以前に住んでいたもの(住まなくなった日から3年目の年の12月31日までの間に譲渡されるものに限ります。)
ハ 上記イ又はロの家屋及びその家屋の敷地や借地権
ニ 上記イの家屋が災害により滅失した場合において、その家屋を引き続き所有していたとしたならば、その年の1月1日において所有期間が10年を超えるその家屋の敷地や借地権(災害があった日から3年目の年の12月31日までの間に売ったものに限ります。)
- (3) 売った資産の登記事項証明書等で所有期間が10年を超えるものであることを明らかにするもの
- (注)登記事項証明書については、「譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書」を提出することなどにより、その添付を省略することができます。
- (4) 買い換えた資産の登記事項証明書や売買契約書の写しで、取得したこと及び買い換えた資産の面積を明らかにするもの
- (注)登記事項証明書については、「譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書」を提出することなどにより、その添付を省略することができます。
「譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書」
- (5) 売買契約書の写しなどで売却代金が1億円以下であることを明らかにするもの
- (6) 買い換えた資産が令和6年1月1日以後に入居する(または入居見込みの)建築後使用されたことのない住宅である場合には、次のイからホに掲げる書類のうちいずれかの書類
イ 確認済証の写しまたは検査済証の写し(令和5年12月31日以前に建築確認を受けたことを証するものに限ります。)
ロ 家屋の登記事項証明書(令和6年6月30日以前に建築されたことを証するものに限ります。)
ハ 住宅用家屋証明書(特定建築物用)
二 次の(イ)および(ロ)の書類
- (イ) 低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し
なお、低炭素建築物新築等計画の変更の認定を受けた場合は変更認定通知書の写しが必要です。 - (ロ) 住宅用家屋証明書(認定低炭素住宅に該当する旨などの記載があるものに限ります。)もしくはその写しまたは認定低炭素住宅建築証明書
ホ 住宅省エネルギー性能証明書または建設住宅性能評価書の写し(特定エネルギー消費性能向上住宅(ZEH水準省エネ住宅)またはエネルギー消費性能向上住宅(省エネ基準適合住宅)に該当することを証するものに限ります。)
- (7) 買い換えた資産が中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであることを明らかにする書類、又は耐震基準適合証明書など
なお、次の場合には、さらに書類が必要となります。
イ 売った資産に係る売買契約を締結した日の前日において住民票に記載されていた住所と売った資産の所在地とが異なる場合や売った日の前10年以内において住民票に記載されていた住所を異動したことがある場合その他これらに類する場合には、戸籍の附票の写し等で、売った資産が上記(2)のイからニまでのいずれかに該当することを明らかにするもの
ロ 確定申告書の提出の日までに買い替えた資産に住んでいない場合には、その旨及び住まいとして使用を開始する予定年月日その他の事項を記載したもの
【参考】東日本大震災に関する税制上の措置(概要)
被災居住用財産に係る譲渡期限の延長の特例があります(「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【東日本大震災に関する税制上の追加措置について(所得税関係)】(外部サイト)をご覧ください。)。
[令和6年4月1日現在法令等]
(措法36の2、36の3、措令24の2、措規18の4、措通31の3-5、措通36の2-23、震災特例法11の7)
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